更新日:2021/8/31

このページでは、探偵業法について一般の人でもわかりやすく説明します。
探偵業法が施行された経緯
探偵(興信所含む)業界は個人の情報を秘密裏に所得する業種。
そのような中において「法外な費用を取る」「脅しの材料にする」「犯罪の補助」などを行う探偵業者の排除及び指導のため公安委員会が「悪質な業者排除」「探偵業界の健全化」のために「届け出制」として2007年6月1日に施行されました。
探偵は届出制
探偵として営業活動するためには、営業する市町村の警察にある生活安全課を通じて公安委員会に探偵業を営むための届けを提出します。
間違えやすい言葉としてが「公安委員会認可」「公安委員会認定」「公安委員会指定」がありますが、あくまでも公安委員会届出です。
探偵業法とは(警視庁)
1・探偵業務の定義
(1)探偵業務の定義「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいいいます。
(2) 探偵業の定義「探偵業」とは、探偵業務を行う営業をいいます。ただし、専ら、報道機関(報道を業として行う個人を含む。)の依頼を受けて、その報道の用に供する目的で行われるものを除きます。
2・探偵業を営むことができない者の欠格事由が定められている
禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わってから5年を経過しない者等一定の要件に該当する者は、探偵業を営むことができません。
3・探偵業を営むためには、各種の届出等が必要
(1) 探偵業の開始の届出
探偵業を営もうとする者は、営業所ごとに、営業所の所在地を管轄する警察署長を経由して、探偵業を開始しようとする日の前日までに、公安委員会に届出書を提出しなければなりません。
法の施行の際、現に探偵業を営んでいる者については、経過措置が定められており、法の施行日から一月の間に届出書を提出すれば良いことになっています。
(2) 探偵業の廃止等の届出
探偵業の開始の届出をした者は、探偵業を廃止したとき、又は営業所の名称、所在地、役員の変更等、法第4条第1項各号に掲げる事項に変更があったときは、公安委員会に、その旨を記載した届出書を提出しなければなりません。
(3) 届出証明書の交付等
ア 公安委員会は、(1)又は(2)の届出(廃止に係る届出を除く。)があったときは、届出をした者に対し、届出があったことを証する書面(以下「届出証明書」といいます。)を交付します。
イ 届出証明書の交付を受けた者は、届出証明書を亡失し、又は滅失したときは、速やかに公安委員会に届出証明書の再交付を申請し、その再交付を受けるとともに、亡失した届出証明書を発見し、又は回復したときは、再交付を受ける前の届出証明書を公安委員会に返納しなければなりません。
*探偵業者は、交付を受けた届出証明書を、営業所の見やすい場所に掲示しなければなりません。
4・探偵業者の、遵守事項が定められている
(1) 名義貸しの禁止
探偵業の開始の届出をした者は、自己の名義をもって、他人に探偵業を営ませてはならないこととされた。
(2) 探偵業務の実施の原則
探偵業者及び探偵業者の業務に従事する者(以下「探偵業者等」といいます。)は、探偵業務を行うに当たっては、法により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならないこととされた。
(3) 契約前後における探偵業者の義務
ア 探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、依頼者から、調査結果を違法な行為のために用いない旨を示す書面の交付を受けなければならないこととされた。
イ 探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、依頼者に対し、一定の重要事項について書面を交付して説明しなければならないこととされた。
ウ 探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結したときは、遅滞なく、一定の重要事項について当該契約の内容を明らかにする書面を依頼者に交付しなければならないこととされた。
(4) 探偵業務の実施に関する規制
ア 探偵業者は、探偵業務に係る調査結果が違法な行為のために用いられることを知ったときは、依頼を受けた探偵業務を行ってはならないこととされた。
イ 探偵業者は、探偵業務を探偵業者以外の者に委託してはならないこととされた。
(5) 秘密の保持等
ア 探偵業者の業務に従事する者は、正当な理由がなく、業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならず、また、探偵業者の業務に従事する者でなくなった後においても同様とすることとされた。
イ 探偵業者は、探偵業務に関して作成し、又は取得した資料について、その不正又は不当な利用の防止のために必要な措置をとらなければならないこととされた。
(6) 教育探偵業者は、従業者に対し、探偵業務の適正な実施のために必要な教育を行わなければならないこととされた。
(7) 名簿の備付け等
ア 名簿の備付け
(ア) 探偵業者は、営業所ごとに従業者の名簿を備えなければならないこととされた。
(イ) 探偵業者は、従業者の名簿に、氏名、採用年月日、従事させる探偵業務の内容等を記載し、従業者が退職した日から起算して3年を経過する日まで、その者に係る名簿を備えておかなければならないこととされた。
(イ) 従業者の名簿の作成及び保存については、電磁的記録により行うことができることとされた。
イ 探偵業者は、届出証明書を営業所の見やすい場所に掲示しなければならないこととされた。
5・行政処分等の規定が設けられている
公安委員会は、探偵業者に対し、法の施行に必要な限度において、報告の徴収及び立入検査を行うことができます。
また、探偵業者等が法の規定等に違反した場合は、指示、営業停止命令等の必要な行政処分を行うことができます。
6・罰則が設けられている
営業停止命令違反、営業廃止命令違反、届出義務違反、名義貸し等に対し、所要の罰則が設けられています。
探偵業法Q&A
Q 探偵業届出業者は信頼できますか?
A ある程度信頼できます
Q 公安委員会認定と記載してある探偵は信頼できますか?
A 信頼できません
Q 届出の確認はどうすればよいですか?
A 「探偵業届出証明書」の提示を伝えてください
Q 公安委員会に届出をしていない探偵はいますか?
A います
Q 届出をしている探偵に特別な権利はありますか?
A ありません
まとめ
探偵は、警察の生活安全課(公安委員会)に届け出を出せばいつでもなれる職業。
学生であっても「おれ、今日から探偵!」と言って受理されれば立派な探偵なのです。
しかし、探偵業は簡単なものではなく、かなりの専門知識と調査能力が必要になってきます。
ここが、探偵がピンキリであるということにつながる理由です。
あまりにも素人同然な探偵ですと、法律も何も知らないため、裁判に活用できる証拠の集め方が分からず、中途半端な調査報告書を作ったり、「絶対に裁判に勝てる!」「絶対に親権が取れる!」などと無責任なことを言ったりしてしまいがち。
また、「成功報酬の受け取りはしてはいけない」と警察より指導があっているにもかかわらず、未だに受取ってる探偵もいます。
そういったお粗末な探偵を法はどうして放置するのでしょうか?探偵は生活安全課に届け出を出して行われるものですから、当然、警察の立ち入り検査が行われます。
しかし、ここで、【立ち入り調査を拒否】したり、【連絡が取れなくなる】などの探偵が存在しているのです。
ここが難しいところです。
また、被害にあった依頼者たちが声をあげないのも大きな理由の一つかもしれません。
もし、公に訴えたりすれば、配偶者に調査していたことがばれますので、それを避けるために訴えられずに泣き寝入りするのです。
探偵選びに失敗しないためにも、最初の相談の段階できちんと納得するまで話をするようにしましょう。